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川口 浩一; 瀬川 智臣; 石井 克典
粉体工学会誌, 59(6), p.283 - 290, 2022/06
日本原子力研究開発機構では、高速炉用燃料製造プロセスにおける規格外ペレットを有効利用するため、これを粉砕して原料粉と混合して再利用する技術の開発を進めている。粉砕前後の粒子径分布を詳細に解析することにより、粉砕粉が粒子径分布の特徴の異なる3種類の成分粒子から構成されることを示した。また、供給粉粒子径分布から粉砕粉粒子径分布を予測する手法について検討した。
橋本 俊輔*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 蒲沢 和也*; 柴田 薫; 山田 武*
Journal of Molecular Liquids, 342, p.117580_1 - 117580_8, 2021/11
被引用回数:3 パーセンタイル:25.84(Chemistry, Physical)エチレングリコール水溶液中に二酸化ケイ素(SiO)ナノ粒子を分散したナノ流体の準弾性中性子散乱測定(QENS)およびパルス磁場勾配核磁気共鳴分析(PFGNMR)を行った。研究目的は、このナノ流体の熱伝導率が理論値を超えて増加するメカニズムを解明することだった。得られた実験結果は、SiOナノ粒子の周りの液体分子の運動が非常に制限されているため、SiOナノ粒子の添加により、エチレングリコール水溶液中の液体分子の自己拡散係数が低下していることを示す。そして温度一定の条件で、SiOナノ流体中で、液体分子の自己拡散係数が減少するにつれて、熱伝導率が増加した。
廃炉国際共同研究センター; 茨城大学*
JAEA-Review 2019-041, 71 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「放射性微粒子の基礎物性解明による廃炉作業リスク低減への貢献」について取りまとめたものである。福島第一原発事故にて放出された放射性微粒子が廃炉手順の確立(溶融燃料等の回収、炉内除染、作業員の安全確保等)に関し重要な炉内事故事象解明のための情報源ともなっている。本研究は、これら粒子の基礎的な物性(粒径, 組成, 電気的性質, 光学的性質など)につき詳細な知見を得るとともに、日英のシナジー研究により放射体の量的評価を含む放射性微粒子の諸特性をさらに解明して、「廃炉」計画のリスク低減にむけた作業全般に寄与する研究・開発を行う。
植田 祥平; 水田 直紀; 深谷 裕司; 後藤 実; 橘 幸男; 本田 真樹*; 齋木 洋平*; 高橋 昌史*; 大平 幸一*; 中野 正明*; et al.
Nuclear Engineering and Design, 357, p.110419_1 - 110419_10, 2020/02
被引用回数:1 パーセンタイル:11.8(Nuclear Science & Technology)固有の安全性に優れ高効率なプルトニウムの利用が可能なプルトニウム燃焼高温ガス炉が提案されている。プルトニウム燃焼高温ガス炉に用いるセキュリティ強化型安全(3S-TRISO)燃料においては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を不活性母材とするPuO-YSZ燃料核へ、遊離酸素ゲッターの特性を有する炭化ジルコニウム(ZrC)を直接被覆する。本論文では、プルトニウム燃焼高温ガス炉の成立性および3S-TRISO燃料の研究開発について報告する。
相原 純; 後藤 実; 植田 祥平; 橘 幸男
JAEA-Data/Code 2019-018, 22 Pages, 2020/01
Pu燃焼高温ガス炉とは、再処理Puの量を安全に減らすための高温ガス炉である。Pu燃焼高温ガス炉では、PuO-YSZの微小球にZrC層を被覆し、更にSiC-TRISO被覆を施したCFPを用いる計画である。ZrC層の役割は、酸素ゲッターである。主に、このPu燃焼高温ガス炉のCFPにも適用するための現時点で可能な範囲での準備として、高温ガス炉の燃料であるCFPの内圧破損確率評価のための、健全CFPの被覆層の応力計算用コードシステムであるCode-B-2を改良し、Code-B-2.5.2とした。本報告では、Code-B-2.5.2の基礎式を報告する。
Guo, L.*; 守田 幸路*; 飛田 吉春
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(2), p.271 - 280, 2016/02
被引用回数:7 パーセンタイル:54.81(Nuclear Science & Technology)For the analysis of debris behavior in core disruptive accidents of liquid metal fast reactors, a hybrid computational tool was developed using the discrete element method (DEM) for calculation of solid particle dynamics and a multi-fluid model of a reactor safety analysis code, SIMMER-III, to reasonably simulate transient behavior of three-phase flows of gas-liquid-particle mixtures. A coupling numerical algorithm was developed to combine the DEM and fluid-dynamic calculations, which are based on an explicit and a semi-implicit method, respectively. The developed method was validated based on experiments of water-particle dam break and fluidized bed in systems of gas-liquid-particle flows. Reasonable agreements between the simulation results and experimental data demonstrate the validity of the present method for complicated three-phase flows with large amounts of solid particles.
古田 琢哉; 佐藤 達彦
医学物理, 35(3), p.264 - 268, 2015/00
近年の目覚ましいコンピュータ計算処理性能の向上により、放射線治療のためのモンテカルロ法による線量計算等が現実的な時間で実行できるようになった。しかし、最近のコンピュータの発展はマルチコアプロセッサーの開発によるものであり、これを搭載したコンピュータの性能を最大限に活かし、ソフトウェアを高速に動作させるためには、並列化が鍵となる。PHITSはMPIを利用した分散メモリ型並列計算とOpenMP指示文を利用した共有メモリ型並列計算の二つの機能を含んでおり、ユーザーは目的に合わせてこれらの二つの並列機能を使い分けることができる。本解説では、この二つの並列機能について、利点や欠点を含めて説明する。また、種々の放射線を水ファントムに入射させる計算を典型的なマルチコアプロセッサー搭載の高性能ワークステーションで行った計算時間等を示すことでPHITSの並列計算の性能を示す。
仲野 友英; 朝倉 伸幸; 竹永 秀信; 久保 博孝; 三浦 幸俊; 清水 勝宏; 木島 滋; 正木 圭; 東島 智; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 46(5), p.626 - 634, 2006/05
被引用回数:21 パーセンタイル:57.18(Physics, Fluids & Plasmas)長い時間スケールにおけるプラズマ・壁相互作用を理解するため、放電時間を15秒から65秒に、中性粒子ビーム加熱時間を10秒から30秒に伸張した。長時間Hモード放電の後半ではダイバータ板が粒子飽和することが確認された。放電中にダイバータ板での粒子吸収が徐々に減少し、その後、粒子を吸収しない状態に達した。この壁飽和現象によって、ダイバータ排気を有効にしているにもかかわらず中性粒子ビーム以外の粒子供給がなくても主プラズマの密度が上昇した。また、総入力エネルギーが350MJに達したが、カーボンブルームと呼ばれる急激な炭素不純物の発生や、主プラズマの不純物による希釈は観測されなかった。
嶋田 道也
プラズマ・核融合学会誌, 80(3), p.222 - 226, 2004/03
周辺プラズマ及びプラズマ・壁相互作用に関する研究の目的について述べるとともに、ITERのダイバータ性能の予測について議論する。また材料やトリチウム吸蔵,ELMやディスラプションのような過渡的現象に伴うプラズマ・壁相互作用に関する研究の主要な課題について議論する。さらに、ITERプラズマの予測法や制御法を確立するための研究開発の戦略について議論する。
角田 淳弥; 植田 祥平; 國富 一彦; 吉牟田 秀治*; 沢 和弘
日本原子力学会和文論文誌, 2(4), p.546 - 554, 2003/12
1000C近い高温の核熱が得られる高温ガス炉は、高温から低温まで、さまざまな形態で熱エネルギーの利用が可能で、例えば、ガスタービンによる高効率な発電,クリーンなエネルギー源として有望視されている水素の製造等、原子力エネルギー利用分野の拡大の可能性を秘めている。日本原子力研究所では、高温工学試験研究の中核施設としての役割を担い、高温ガス炉技術基盤の確立と高度化並びに高温工学に関する先端的基礎研究を目的としたHTTR計画を進めている。高温ガス炉では、燃料として被覆燃料粒子が用いられる。高温ガス炉燃料の再処理には、燃料核を取出す前処理が必要で、前処理技術としてジェットグラインド法を考案した。前処理後はピューレックス法を適用することにより、再処理が可能である。本論文は、高温ガス炉燃料の再処理について記述したもので、黒鉛ブロックの廃棄方法について予備検討を行った結果も併せて示した。
松原 正和*; 八巻 徹也; 伊藤 久義; 阿部 弘亨*; 浅井 圭介*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 42(5A), p.L479 - L481, 2003/05
KrFエキシマーレーザーを用いたアブレーションによってTiOナノ微粒子を作製した。全圧1Torr以上に保ったOとAr混合ガス(O:Ar=5:5)中でアブレーションすると、低次酸化物などの不純物の混合がなく、ルチル, アナターゼの両相から成るTiOの形成が確認された。ルチル/アナターゼ結晶相の重量分率は、O/Arガスの圧力によって制御可能であった。得られたナノ微粒子は球状であり、その粒径もガス圧に依存して10-14nmであった。
井戸村 泰宏; 徳田 伸二; 岸本 泰明
Nuclear Fusion, 43(4), p.234 - 243, 2003/04
被引用回数:119 パーセンタイル:94.96(Physics, Fluids & Plasmas)ジャイロ運動論的トロイダル粒子コードGT3Dを開発した。GT3Dでは、軸対称トロイダル系における運動の恒量により定義される正準マックスウェル分布に基づく手法,高モードのグローバル解析を可能にする準バルーニング展開、あるいは、粒子,エネルギーなどの保存則を改善する最適化粒子配分法といった新しい手法が実装されており、実装置パラメータにおける高精度のプラズマ乱流シミュレーションが可能になっている。本コードを大型トカマクにおけるITG(イオン温度勾配駆動)モードの解析に適用し、反転磁気シア配位は領域におけるITGモードの実質的な安定化に寄与することを明らかにした。また、GT3Dでは正準マックスウェル分布を用いた実装により、軸対称モード、特に、乱流抑制に寄与する乱流駆動帯状流の応答が正しく表現されている事を確認し、従来の局所マックスウェル分布を用いた乱流シミュレーションにおける重要な問題点を明らかにした。
滝塚 知典; 細川 哲也*; 清水 勝宏
Journal of Nuclear Materials, 313-316(1-3), p.1331 - 1334, 2003/03
被引用回数:15 パーセンタイル:68.99(Materials Science, Multidisciplinary)トカマク核融合研究において粒子と熱の制御が最重要課題の一つである。ヘリウム灰排気と不純物のダイバータ領域内保留はダイバータ板に向かうプラズマ流で決まる。板上の局所的熱負荷は流れのパターンに依存する。したがって、SOLとダイバータプラズマの流れの適切な制御によって粒子と熱の制御ができる。この論文では、PARASOLコードを用いた2次元粒子シミュレーションにより流れの制御を研究した。トカマクのダイバータ配位に似たセパラトリクスのある磁場配位を与えている。主プラズマ中に熱粒子源がある。ダイバータ板近傍にリサイクリング冷粒子源がある。SOLプラズマ中に流れ制御のためにガスパフ粒子源をおく。板上の静電ポテンシャルを変えてダバータバイアシングが可能である。ガスパフとバイアスの流れへの影響を調べた。シミュレーション結果から制御性を評価した。
久保 博孝; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 9(5), p.2127 - 2133, 2002/05
被引用回数:18 パーセンタイル:50.76(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでは、不純物入射,ペレット入射を用いた不純物,重水素粒子の制御によって、閉じ込め改善流域を高密度,高放射損失,高プラズマ純度に向けて拡張する研究を進めている。通常のダイバータ配位のELMy Hモードでは、Ar入射によって高密度領域(0.65n)で高放射損失(80%),高閉じ込め(HH=1)を得た。ELMy Hモードでは輸送障壁の内側でイオン温度分布形状が変わらないという性質が有り、Ar入射の場合には輸送障壁部のイオン温度を高く維持できるため、閉じ込め改善度を維持できると考えられる。Arと重水素のリサイクリングを増加するために外側セパラトリックスをダイバータドームの頂上においた放電では、さらに高密度(0.8n)まで閉じ込め改善を維持できた。また、高ELMy Hモードでは、ペレット入射によって高閉じ込めの密度領域を0.6nから0.7nまで拡張できた。
眞田 幸尚*; 松永 武; 柳瀬 信之; 長尾 誠也; 天野 光; 高田 秀重*; Tkachenko, Y.*
Applied Radiation and Isotopes, 56(5), p.751 - 760, 2002/04
被引用回数:14 パーセンタイル:65.5(Chemistry, Inorganic & Nuclear)原子力施設の事故時に放射性核種が環境中に放出された場合の、長期的な環境影響を評価するために、チェルノブイル原子力発電所を中心とする汚染地域で放射性核種の水系における移行挙動を実地に研究した。チェルノブイル原子力発電所近傍のプリピアチ川において、チェルノブイル事故に起因する放射性核種により河川堆積物が高度に汚染された地点を見いだした。その堆積物中の放射性核種(Cs-137,Sr-90,Pu-239/240,Am-241)について、鉛直分布と存在形態分析を行った。その結果、Cs-137,Pu,Am同位体は堆積物の中で強い固定相に存在することがわかった。一方、Sr-90はより緩い結合相に存在するため、堆積物からのSr-90の溶出可能性を長期的な影響評価のうえで考慮すべきことが、野外試験により実際に明らかになった。
久保 博孝; 東島 智; 竹永 秀信; 熊谷 晃*; 清水 勝宏; 杉江 達夫; 鈴木 慎悟; 逆井 章; 朝倉 伸幸
NIFS-PROC-44, p.65 - 68, 2000/01
トカマク型核融合炉の定常化のためには、ダイバータを用いた粒子制御が必要である。高い粒子制御性能を有するダイバータを設計するには、ダイバータにおける粒子挙動の理解が不可欠である。ここでは、JT-60Uのダイバータプラズマにおける重水素粒子、ヘリウム原子、炭素不純物の挙動に関する分光学的研究について発表する。D線のドップラー拡がりを解析することにより、重水素粒子のリサイクリング過程及びD線の放射過程に対する重水素分子の役割などを明らかにした。また、HeIのスペクトル線のドップラー拡がりを解析することにより、水素イオンによる弾性散乱によってヘリウム原子の移動度が上がることを明らかにした。炭素不純物については、CDバンドの放射強度の空間分布測定から、ダイバータのドームによって炭化水素不純物のX点付近への輸送が抑制されることを明らかにした。
藤本 望; 山下 清信
Proc. of Int. Conf. on Future Nuclear Systems (Global'97), 2, p.957 - 962, 1997/00
ペブルベッド型高温ガス炉を用いた原子炉級プルトニウムの燃焼の可能性について検討した。解析はVSOPコードで行い、燃料球に装荷するPu量を変化させその特性を評価した。その結果、燃料球あたり0.08gから1.5gのPuを装荷できることがわかった。温度係数については、温度が高いほど、またPu装荷量が多いほど温度係数が負になること、燃焼が進むほど温度係数が正になることがわかった。これは、主に熱中性子スペクトルが変化し、Xeの中性子吸収が変化することが原因である。燃焼期間中の温度係数が負であるよう燃料の燃焼度を定めると400GWd/t程度となり、年あたり30%程度、サイクルあたり40%程度のPu消滅率となることがわかった。また、MOX燃料のLWRと比較すると、単位出力・年あたりの消滅量では非常に優位であり、高温ガス炉による原子炉級Pu消滅の有効性が明らかとなった。
清水 勝宏; 滝塚 知典; 細金 延幸
プラズマ・核融合学会誌, 71(12), p.1227 - 1237, 1995/12
閉じ込め性能と両立する低温高密度ダイバータ・プラズマを実現するため、JT-60Uにおいて、現在のオープン型から、W型のダイバータに改造する計画がすすめられている。新しいダイバータ配位における中性粒子と不純物の挙動について解析した。中性粒子の輸送解析で、密度制御に必要な粒子排気が可能なこと、中性粒子の主プラズマへの流入量がオープン型に比べて半分程度にまで下げられることが明らかになった。不純物に関しては、オープン型では、プライベイトの壁から発生するメタンが、X点近くの放射損失を増大させることが以前の解析で示されていた。W型にすることで、こうした炭素不純物の上流のSOLへの混入が、ドームによって抑えられることが明らかになった。更に、放射損失の温度依存性が、オープン型とは逆に、W型の場合安定(温度が低くなれば、放射損失が減少)であることが明らかになった。
樋口 健二; 浅井 清; 秋元 正幸
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(10), p.953 - 964, 1995/10
被引用回数:1 パーセンタイル:17.52(Nuclear Science & Technology)粒子輸送モンテカルロ・コードの高速処理を実現するため、モンテカルロ装置Monte-4を開発した。複雑な3次元空間における粒子の追跡計算は、スカラ命令や通常とは異なるベクトル命令を必要とするため、従来のスーパコンピュータ上での高速処理が困難であった。Monte-4は、モンテカルロ・パイプラインと呼ばれる特殊なハードウェアによってこれらの処理を高速化している。また、従来のベクトル計算機上で生じていた、データ転送能力と数値演算能力間の不均衡を解消するため、強化されたロード/ストアパイプラインを装備している。さらに、Monte-4は、4台のプロセッサによる並列処理によって高速化を実現している。汎用モンテカルロ・コードを用いた性能評価において、オリジナル・コードのスカラ処理に対し約10倍の速度向上率を達成した。
中村 和幸; 長瀬 昭仁*; 大楽 正幸; 秋場 真人; 荒木 政則; 奥村 義和
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.890 - 894, 1995/00
被引用回数:19 パーセンタイル:84.35(Materials Science, Multidisciplinary)50~100eVのエネルギー領域において、従来よりも10倍程度高い粒子束を有するイオン照射装置を開発し、それを用いてJT-60U等の大型トカマク装置で使用されている炭素基盤材料のスパッタリング収率を測定した。照射イオン種は水素、重水素およびヘリウム、加速電圧は150~450V(50~150eVのエネルギーに相当)、粒子束は最大で10/m/sである。スパッタリング収率測定用試料は、一次元及び二次元の炭素せん維強化複合材、等方性黒鉛、再付着炭素層、ほう化炭素である。実験の結果、1.210/mまでフルエンス依存性の見られないこと、50~150eVの範囲で穏やかなエネルギー依存性のあること、試料によって2倍程度のスパッタリング収率の違いがあること等が明らかとなった。